東京地方裁判所 昭和45年(ワ)1502号 判決
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〔判決理由〕抵当権設定の仮登記をした者は、本登記をしないかぎり、その抵当権を第三者に対抗しえないこと、仮登記権利者が本登記をする前に目的不動産について競売が行なわれたときは、抵当権はすべて消滅し、右仮登記も抹消され、もはや本登記をすることができなくなることは、原告の主張するとおりである。しかし、他面、仮登記権利者は、後日本登記を受けることにより、仮登記の順位においてその抵当権を第三者に対抗しうる地位を有するものであり、このような順位保全の効力は第三者にも対抗しうべきものであるから、競売手続においても、これを未登記の抵当権者と同視し無視することはできない。従つて、この場合、仮登記抵当権者は、本登記をするのに必要な条件を具えるに至つたとき、本登記をすれば第三者に対抗しえたはずの抵当権およびその順位に基づいて、競売代金中より配当を受けることができるものと解すべきであり、この理は後順位に本登記をした抵当権者が存する場合でもかわりはない。それ故、本件において、競売裁判所が仮登記抵当権者である被告らに対する配当金額を定めて配当表を作成し、その配当金額を供託したのは相当であり、後日被告らが前記の条件を具えて配当金の交付を受けたとしても、これを不当利得ということはできない。右と異る見解に立脚する原告の主張は、当裁判所の採用しないところである。(渡辺忠之)